この記事のポイント
- 米ドルと固定相場(ドルペッグ制)
ドバイの通貨(AED)は米ドルとのレートがほぼ固定され、為替変動が小さいメリットあり - 紙幣・硬貨の特徴
多彩なデザインの紙幣・硬貨が発行されているが、小額硬貨は流通が少ない - 両替はどこでする?
街の両替所やショッピングモールでの両替が比較的お得。ATM利用も選択肢に - チップの相場目安
ホテルやレストラン、タクシーなどでのチップ文化を押さえる - 生活費・物価の一例
タクシー初乗りやレストランの価格感などを知り、旅行・生活の予算を立てやすく
通貨の基本情報
ドバイで使われる通貨は「ディルハム(AED)」
- アラブ首長国連邦(UAE)の公式通貨
アブダビやシャルジャなどUAEの7首長国内で共通して使用される通貨です。 - 表記の例
- ISOコード:AED
- 記号:د.إ
- 略称:Dh、Dhs
- 補助単位はフィルス(Fils)
100フィルス = 1ディルハムですが、25フィルス以下はあまり流通していないため、日常の買い物では切り上げ・切り捨てられるケースが多いです。
円とのレート目安
2025年2月現在、円安傾向にあるため1ディルハム=約42〜43円前後で推移しています。旅行や出張の際には、為替レートを随時チェックしましょう。
仮に1ディルハムが40円の場合は、以下のようなレートとなります。
🇦🇪 ディルハム | 🇯🇵 円 |
---|---|
1 AED | 40円 |
5 AED | 200円 |
10 AED | 400円 |
25 AED | 1,000円 |
50 AED | 2,000円 |
100 AED | 4,000円 |
500 AED | 20,000円 |
1,000 AED | 40,000円 |
5,000 AED | 200,000円 |
🇯🇵 円 | 🇦🇪 ディルハム |
---|---|
1円 | 0.025 AED |
5円 | 0.125 AED |
10円 | 0.25 AED |
25円 | 0.625 AED |
100円 | 2.5 AED |
500円 | 12.5 AED |
1,000円 | 25 AED |
5,000円 | 125 AED |
10,000円 | 250 AED |
飲食や娯楽は日本と比べて高い傾向にありますが、それ以外はあまり変わらないまたは安い傾向にあります。下記のドバイの主な物価の一例を参考にしてください。
ディルハムのドルペッグ制とは
ドバイの通貨・ディルハム(AED)はドルペッグ制(固定相場制)を採用しており、1米ドル=約3.67AEDにほぼ固定されています。
ドルペッグ制のメリット
- 為替変動が小さい
旅行者や投資家にとっては、レートによる大幅な損得が少ないのが魅力です。 - 不動産投資やビジネスが読みやすい
米ドル建て感覚で資金計画を立てやすく、長期投資のシミュレーションがしやすい。
円高・円安の影響
- 米ドルと同じ動きをしやすい
円→ドルのレートが円安方向に動くと、円→AEDも同様に円安傾向になります。 - 手元で保有している米ドルがあればお得
あらかじめ円高時に米ドルを入手していた場合、現地のディルハムに両替することで有利になる可能性があります。
紙幣・硬貨の種類とデザイン
ドバイでの支払いはほとんどがクレジットカードで、クレジットカードを持てない人たちが紙幣や硬貨を使用します。
以下にまとめた「日常的に使う紙幣」と「普段あまり使わない紙幣」の使い分けが重要となります。大きい紙幣の場合、買い物ができなかったり、お釣りが無いため他の場所でお金を崩さないといけないなどの手間が発生します。
紙幣
ドバイ(UAE)のディルハム紙幣は、5・10・20・50・100・200・500・1,000ディルハムの8種類。紙幣には、歴史的建造物や伝統文化を象徴するモスク、要塞、鷹(ハヤブサ)などが色鮮やかに描かれています。
- 5AED・10AED:比較的小額で緑や茶色が基調色
- 20AED・50AED:青系や紫系
- 100AED:薄いピンクのような色合い
- 200AED:やや流通量が少ない
- 500AED:青みがかった色合い
- 1,000AED:高額紙幣(約40,000万円)
最近では紙幣にポリマー紙が採用されるようになりました。これにより紙幣が丈夫になり長持ちすることが期待されます。
貨幣
ドバイで貨幣を使うタイミングは滅多にありません。使った場合でも、スーパーでレジ袋をもらう際に25フィルスを払うなど限定的です。間違えても、チップとして貨幣をあげないようにしましょう(あまりにも少額のため冷やかしになってしまいます)。
- 1ディルハム(Dh1)
アラビアコーヒーポットが裏面に描かれています - 50フィルス、25フィルス、10フィルス
小額コインですが、25フィルス以下は利用頻度が極端に少ないです
両替方法(場所・注意点)
ドバイで両替できる主な場所
- 空港の両替所
- 24時間営業が多く、到着直後に安心して現金を確保したい時に便利
- 手数料やレートは比較的高め
- 街の両替所(エクスチェンジ)
- ショッピングモール内やスーパーマーケットなど街中に多数
- 一番レートが有利になることが多いため、まとまった金額を両替するならおすすめ
- 銀行
- 安心感はあるが、日本円→AEDの両替手数料はやや高めのことも
- ホテルなどに比べればレートはましな場合も
- ホテルのフロント
- 24時間対応で便利だが、レートは高めで手数料もかかりがち
両替時のポイント
- パスポートの提示
マネーロンダリング対策のため、パスポートの提示を求められることが多いです。 - 日本で米ドルに両替してからAEDにする
とくに大金を両替する場合は「円→ドル」「ドル→AED」と分けて両替すると、トータルで手数料がお得になるケースがあります。ただし、2回両替の手間と多少のレート差に注意です。
ドバイでの決済のほとんどがクレジットカードとなります。そのため、クレジットカードを持っていれば現金の利用も限定的になるでしょう。次にどのクレジットカードの普及率を見ていきます。
クレジットカード・ATMの利用
クレジットカードの普及状況
- ドバイのほとんどのホテルやレストラン、ショッピングモールでVISA・Mastercardが広く使えます。
- JCBやAMEXは対応不可の店舗もあるため、複数ブランドを所持していると安心。
- VISA 56 %
- Master 39 %
- Amex 4 %
- その他 1 %
ATMで現金を引き出す
- 街中やショッピングモール、空港など至る所にATMが設置
- 日本のクレジットカードや海外キャッシュカードでAEDを引き出せる
- カード会社や銀行により「キャッシング枠の金利」「ATM利用手数料」が異なるので事前確認が必要
- スキミング防止のため、カードはすぐ抜き取るようにしましょう。
- クレジットカードの暗証番号を事前に確認しておくと良いでしょう。
チップ・支払いマナー
ドバイを含む中東地域には義務ではありませんが、チップの習慣があります。アメリカほど厳格ではなく、サービスを受けた際には心づけとして渡すとスムーズです。
チップの相場目安
- ホテル
- ポーター:荷物1個あたり5〜10AED程度
- ルームメイド:1泊あたり5〜10AED/枕元に置くか置手紙を添えて
- レストラン
- サービス料込みの場合:追加チップは必須ではないが、接客が良ければ気持ち程度(5AED〜)
- サービス料別の場合:料金の10〜15%程度を目安
- タクシー
- お釣りの小銭を渡す、端数を切り上げて渡す
- (例)運賃18AEDなら20AED渡すなど
注意点
- ホテルの高級レストランなどではサービス料が請求に含まれているケースがほとんど
- ドバイでのチップの提供は義務ではありません。本当に自分が良いサービスを受けたら渡せば良いでしょう。
物価の目安・節約術
ドバイの主な物価の一例
項目 | おおよその価格 |
---|---|
ミネラルウォーター(500ml) | 1.5〜2 AED(約40〜80円) |
コーヒー1杯(スターバックス) | 15〜20 AED(約600〜800円) |
タクシー初乗り | 約12 AED(約500円) |
ドバイ・メトロ1日パス(スタンダード) | 20 AED(約800〜900円) |
レストランのランチ(中級店) | 40〜60 AED(約1,600〜2,400円) |
※ 円換算は1AED=約40〜42円目安。店舗や場所で大きく異なる場合があります。
出費を抑えるコツ
- 夏のオフシーズンを狙う
気温が高く観光客も比較的少ないため、航空券やホテル料金が下がる傾向に。 - 公共交通機関を活用
ドバイメトロやバスは快適かつリーズナブル。タクシーは短距離利用に限るなどメリハリを。 - 屋台やフードコートを上手に利用
高級レストランばかりでなく、ローカル色の強い屋台やフードコート、スーク周辺で安く楽しめる食事も多数。 - 無料スポットで楽しむ
ドバイ・ファウンテンやビーチ、公園、デイラ地区の散策など無料で観光できる場所も多くあります。
まとめ
ドバイで使われる通貨「ディルハム(AED)」は米ドルとの固定相場により、比較的安定したレートで取引されるのが特徴です。紙幣や硬貨の種類やデザインは色彩豊かで、旅行者にとっても新鮮な印象を受けるでしょう。
- 両替は街のエクスチェンジが基本的にお得
- クレジットカードはVISAやMastercardが便利
- チップはホテルやタクシーなどで相場を把握しておく