中東UAEに来たらドバイの近未来的な雰囲気に加えて、中東ならではの文化や歴史を安心・安全に体験できる場所としてアブダビがおすすめです。
7つの首長国からなるアラブ首長国連邦(UAE)の首都でもあるアブダビは政治・経済の中心で、近代的建築物と砂漠が共存し、伝統文化を守りながらも最先端をいく世界都市です。見たこともない形のビルや、世界で一番美しいと言われるモスク。それでいて、古き良き昔ながらのアラビア文化や面影を今も残しています。
まさしく、エキゾチックという言葉が似合う都市、アブダビ。
本記事で紹介するシェイク・ザイード・グランド・モスクやプレジデンシャルパレス(QASR AL WATAN)に訪れることで、アラブ文化やUAEという国の成り立ちなどを歴史を知ることができます。
その他にも、フランスとUAEの文化の架け橋となるルーヴル・アブダビや、3つの宗教が共存するアブラハムファミリーハウスも見逃せません。
本記事では現地在住の視点から、アブダビ観光でおすすめのモデルコースをご紹介します。最後にはドバイ・アブダビ間のベストな交通手段もお伝えします。
アブダビで絶対に訪れるべき観光地
アブダビで絶対に訪れるべき観光地の1つ目はシェイク・ザイード・グランド・モスクです!
世界最大のペルシャ絨毯が置かれたことで有名になり、伝統的なイスラムのデザインと近代的な建築技術を用いてつくられたモスクです。2007年に竣工したこのモスクは世界で6番目の大きさになります。
現地でモスクの内装や外観を楽しむことはもちろんできますが、事前にリサーチすることで、より深くモスクを知ることができます。
シェイク・ザイード・グランド・モスクで着目すべき点は3以下の点です
- 宝石が散りばめられたモスクの柱
- スワロフスキーと24金のシャンデリア
- 世界最大の手縫のペルシャ絨毯
シェイク・ザイード・グランド・モスク(Sheikh Zayed Grand Mosque)は、1999年から2007年にかけ5億4500万ドルかけて竣工されたUAE国内で1番大きなモスクです。アブダビでは1番有名な観光地です。
シェイク・ザイードとは?
そもそもシェイク・ザイードとはどのような人物であったのでしょう?シェイクとはアラビア語で首長・部族の長老という意味があります。彼はアラブ首長国連邦の初代総理大臣で、簡単に言うと7つの首長国をまとめあげた人です。
彼はアブダビのオイルマネーをインフラ整備など国家の基盤を整備発展させるための事業に投入し、アブダビに未曾有の繁栄をもたらしました。その後、アラブ首長国連邦のリーダーとして指導力を発揮し続けました。
世界最大のペルシャ絨毯はギネス記録に認定されました。
夜には青でライトアップされアラビアンナイトを満喫することができます。
着目すべき3つの特徴
1つ目の着目点:宝石が散りばめられたモスクの柱
まず注目すべき1つ目のポイントは、モスクにある1,096本ある6角形の柱です。
シェイク・ザイード・グランドモスクの柱は全て大理石でできており、それぞれの柱にラピスラズリ、レッドアゲート、アメジスト、真珠などの宝石が複雑に埋め込まれています。これらの柱は熟練の職人によってピエトラデュラと呼ばれる、高度に研磨された色の石を使用して画像を作成するインレイ技法によって作られました。
上の部分はヤシの木をイメージし金色の装飾が施されています。
2つ目の着目点:スワロフスキーと24金のシャンデリア
シェイク・ザイード・グランド・モスクにはドイツのFaustig社から輸入した7つのシャンデリアがあります。
これらのシャンデリには何百万ものスワロフスキーと24金が使われており、直径10メートル、高さ15.5メートル、重さ12トンのサイズとなっております。
3つ目の着目点:世界最大の手縫のペルシャ絨毯
最後にメインの礼拝堂にある、世界ギネスレコードに認定された世界最大の手縫で作られた絨毯です。5,627㎡のこの絨毯は1,200〜1,300人の職人によって2年間かけて作られました。この絨毯の総重量は35トンに及び、そしてひとつなぎの1枚の絨毯となっています。
アブダビ観光でシェイク・ザイード・グランド・モスクは外すことはできません。その中でも特に柱・シャンデリア・絨毯の3つに着目してして見ていただくと、さまざまな発見をすることができるでしょう。入館する際には服装やマナーに気を付ける必要があるため事前準備をしましょう。
基本情報:モスクでのマナーと服装
【開館時間】
・土曜日から木曜日:午前9時〜午後10時
・金曜日:午前9時〜午後12時・午後3時〜午後10時(ラマダン期間は開館時間が異なるため気をつけましょう)
https://www.szgmc.gov.ae/en/mosque-opening-hours
【費用】
無料(当日でも入館の手続きは可能で、予約の必要はありません)
【モスクでのマナー】
モスクは礼拝場のため、大声での会話や携帯電話での通話はもちろん、床に寝そべったり飲食や喫煙も禁止です。
カップルで訪れる際にはくっつき過ぎず適度な距離感やピースなどのポーズは避け、自然な写真撮影を心がけるようにしましょう。(セキュリティーに注意されてしまいます)
女性は腕は手首まで隠れ、足はくるぶしまで隠れているゆったりとした服装かつ髪の毛を露出しないためのアバヤ(スカーフ)を着用する必要があります。体のラインが出る服や、髪の毛の露出はNGです。
女性は肌が露出いない服装にプラスでアバヤの着用が必要です。
男性は短パンやタンクトップなどのノンスリーブシャツは禁止。サンダルも控えるのが良いでしょう。
次に紹介するのがプレジデンシャルパレス:アブダビ大統領官邸(QASR AL WATAN)です。
ここではアラブ首長国連邦の国民とその指導者が残したこれまでの功績などを目にすることができます。
この場所は博物館のような場所ではなく、世界各国の要人が実際に使用されているホールや会議室どを訪れることができます。日本の国会議事堂のようなイメージです。UAEの政治の功績を体感できる場所となっています。
栄耀栄華な館内
プレジデンシャルパレスにきたら館内をゆっくり回ってください。今まで訪れたことのないような贅沢のかぎりを尽くした建物を見ることができます。実際に訪れることでオイルマネーの凄さを感じることができます。
プレジデンシャルパレスへ行くとトイレにも驚かされます。
全てのトイレが木製のドアの個室で、中に入るとトイレットペーパーホルダーやレバー、ビデなど全てが金色でデザインされていました。日本は最先端のテクノロジーを駆使したトイレで有名ですが、アブダビではトイレまでもが金色で装飾されています。トイレの個室もとても広く、まるでホテルの一室に来たような気持ちになります。
18時45分からは15分間のプロジェクションマッピングのショー「Palace in Motion」が行われます。
このショーの時間は季節によって時間が変わりますので、こちらの開館時間のスケジュールで事前に確認するのが良いでしょう。館内の装飾に驚かされることはもちろん、外観や広場の大きさにも驚かされます。ディズニー映画のアラジンのようなエキゾチックな世界観を体験できます。館内を歩いた後には、外の広場をゆっくりと歩くのも良いでしょう。
【開館時間】
・午前10時〜午後6時30分
・月毎に開館時間が違うのでこちらで確認ください。
【費用】
・大人:65aed
・子供:30aed
入館は要予約です!こちらのサイトから事前に予約をしておきましょう。
https://www.qasralwatan.ae/en/booking#tickets
【プレジデンシャルパレス(QASR AL WATAN)でのマナー】
プレジデンシャルパレスに滞在する場合、膝や肩が隠れる服装で行きましょう。現地の人への礼儀として正しい服装が求められます。
*2024年3月1日より、ビジターセンターでは、ドレスコードに従わない服装のお客様へのスカーフの提供を中止いたします。
2017年、アブダビに開館したルーヴル・アブダビは、フランスとアラブ首長国連邦の協力による文化のシンボルです。
ルーブルアブダビが成功した3つの秘訣は3つあります。まず、壮麗な建築。次に、フランスのルーヴル美術館などからの貸し出しによる多彩な常設コレクション。そして、高品質な企画展。これらの要素が結びつき、ルーヴル・アブダビは世界の文化交流における重要な役割を果たしています。
ルーヴル・アブダビの見どころ
ルーヴル・アブダビには、幅広いジャンルや文化をカバーする多彩なコレクションがあります。その中には、次のようなものが含まれます。
- 西洋美術: ルーヴル美術館をはじめとするフランスの美術館からの貸し出しによる西洋美術の傑作が展示されています。これには、有名な絵画や彫刻などが含まれます。
- イスラム美術: アラブ首長国連邦という地域の文化を反映し、イスラム美術の優れた作品が展示されています。これには、モザイク、装飾写本、陶器などが含まれます。
- アジアの美術: アジアのさまざまな文化や時代の美術作品も展示されています。中国、日本、インドなどからの彫刻、絵画、工芸品などが含まれます。
- その他の文化: さまざまな文化や地域の芸術もカバーされており、アフリカやオセアニアの作品なども展示されています。
これらのコレクションを通じて、ルーヴル・アブダビは世界の多様性や豊かな文化遺産を紹介し、訪れる人々に深い芸術体験を提供しています。
基本情報
【開館時間】
・月曜日〜木曜日:午前10時〜午後6時半
・金曜日〜日曜日:午前10時〜午後8時半
*公式サイトでご確認いただけます。
【費用】
・18歳以上:65aed
こちらのサイトから事前に予約をしておきましょう。
https://www.louvreabudhabi.ae/en/visit-us
アブダビのサディヤット島に位置する「Abrahamic Family House(アブラハムファミリーハウス)」は、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教という三大一神教の共存を象徴する画期的な施設です。
この複合施設にはモスク、教会、シナゴーグがあり、異なる宗教の伝統と共通の価値観が尊重されています。
アブラハムファミリーハウスの見どころ
アブラハムファミリーハウスでは展示を通じて、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の信仰がどのように異なっているのか、そして3つの信仰に共通する基本的な原則について学ぶことができます。
異なる信仰を持つ人々が共に集い、互いに学び合うことができるこの施設は、世界中の人々にとって平和と理解のメッセージを発信し続けています。
文化や宗教に興味を持つすべての人々にとって、アブラハムファミリー ハウスは必見の場所であり、訪れることにより心に深い感動を残すことができます。
アブラハムファミリーハウスに関する詳しい情報は以下の記事も参考にしてください。
基本情報
【開館時間】
・月曜日〜日曜日:午前10時〜午後5時
*公式サイトでご確認いただけます。
【費用】
・無料
こちらのサイトから事前予約をオススメします。
https://www.abrahamicfamilyhouse.ae/
【アブラハムファミリーハウス内のモスクでのマナー】
アブラハムファミリーハウスでは男女ともにマナーや服装をまもる必要があります。これはシェイク・ザイード・グランド・モスクと同様です。
服装:https://bitex-co.com/toursim-2024/#manner
アブダビ観光を満喫するためのおすすめモデルコース
UAEの都市・アブダビには、知れば知るほどどっぷりとハマる魅力的な観光地がたくさんあります。
ここからはUAEを観光する人のための、アブダビの定番観光地をメインに日帰りで楽しむコースと、1泊2日でじっくりと満喫するコース、2つのモデルコースをご紹介します!
アブダビの魅力をぎゅっと凝縮!日帰りのモデルコース
- アブダビ到着
アブダビではタクシーで移動しましょう。バスなどを使うと炎天下の中でかなり待たされたり、大幅な時間のロスに繋がります。
暑い時期は午前中でも40度近い気温になるので、日中は室内で楽しめる観光地がオススメです。
- エミレーツパレス マンダリンオリエンタル
プレジデンシャルパレスから近い、エミレーツパレス(自称7つ星ホテル)で伝統的かつ豪華な雰囲気を楽しみましょう。この場所は映画ワイルドスピードなどの舞台にもなりました。少し奮発してホテル内のカフェでゴールデンカプチーノを楽しんでみてはいかがでしょうか。
日が沈む頃になるとグランドモスクは青色にライトアップされます。この時間帯がオススメです。モスクをみる際には屋外を歩くようになるので、涼しい時間帯に訪れれるのが良いでしょう。
アブダビ観光を全部満喫!1泊2日のモデルコース
- 1日目は上の日帰りのモデルコースと同様
2日目のスタートはルーブル・アブダビのあるサディヤット島からです。海の色が透き通ったターコイズ色でとても美しいビーチが広がっています。日が上がり暑くなる前にビーチを散歩するのもオススメです。
日中は暑さを避けつつ文化を堪能できるルーブル・アブダビがよいでしょう。2024年の後半以降、サディヤット島には日本のチームラボ、グッゲンハイム美術館、ザイード美術館などが完成予定です。自分の好みにあった美術館に行ってみてはいかがでしょうか。
アブラハムファミリーハウスは、三大一神教(イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒)の3つの礼拝所(教会、モスク、シナゴーグ)が統合された世界で唯一の場所です。信仰心の強弱関係なく、異文化・異宗教理解のために訪れることで視野を広げることができます。
- モールでのショッピング
アブダビには有名なモールにヤスモールとガレリアモールがあります。ヤスモールはアブダビで1番大きなモールで、ガレリアモールは高級志向なモールです。ガレリアモールにはお酒の蒸留所もあるため、お買い物と一緒にゆっくりとした時間を過ごすことができます。
- テーマパークも充実
アブダビにはフェラーリワールドやワーナーブラザーズアブダビなどのテーマパークの他に、ウォーターワールードやシーワールド(水族館)などがあります。これらのテーマパークで丸一日過ごすこともできます。
ドバイからアブダビへの行き方
ドバイーアブダビ間のアクセス方法は3つあります。タクシー、車の運転、バスです。どの方法でもアブダビまで片道は1時間半ほどかかると考えておけば良いでしょう。
金額的には往復で、タクシーが300aed(12,000円)、バスの場合は60aed(約2,400円)程になります。
ドバイからアブダビにバスで行く方法
ドバイからアブダビへバスで行く場合、アブダビ行きのバスが出ているアル グバイバ(Al Ghubaiba)またはイブン・バットゥータ(Ibn Battuta) に行く必要があります。
そこから、アブダビのアブダビ中央バスステーション(Abu Dhabi Central Bus Station)行きのバスに乗ります。
ドバイのダウンタウンエリアから乗る場合はアルグバイバからがオススメで、マリーナエリアから乗る際にはイブン・バットゥータから乗るのが良いでしょう。
バスの費用は30aed(約1,200円)で1番格安の方法です。バスは20分ごとに出発しているため、予約の必要はありません。ドバイからアブダビへのバスの終着点はアブダビ中央バスステーション(Abu Dhabi Central Bus Station)です。終着点からアブダビの最終目的地までは、タクシーなどを使い移動します。
UAE・アブダビの人気観光スポットを満喫しよう
この記事では、アブダビのおすすめの観光スポットとおすすめのモデルコースを紹介しました。
ここでは紹介しきれない名所や見どころもたくさんあるので、今回紹介した観光地を参考に、アブダビ旅行のスケジュールを立ててみてください。