アブダビは2024年安全性指標で世界1安全な都市に選ばれました。ドバイは4番目。この結果、アブダビは8年連続で世界で1番安全な都市となりました。
このことからアラブ首長国連邦(UAE)は安全な国だと言えるでしょう。
しかし、アブダビ・ドバイが安心・安全だからといって何をしてもよいかというと、そうではありません。日本とUAEは法律や文化も違うため、柔軟に理解し対応すべきことが多くあります。
本記事では、世界の中で安心・安全だと言われるUAEでも注意しなくてはいけないエリアや、異なる文化から気をつけるべき振る舞いを紹介します。
UAEの治安状況
外務省の海外安全ホームページによると、2024年10月現在UAEには危険情報は出ておりません。
外務省の発表では2022年1月にアラブ首長国連邦政府は、イエメン反政府武装勢力ホーシー派がアブダビ及びドバイに対してミサイル攻撃作戦を実施したという発表がありました。しかし、それ以来同様の事件は起きていません。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻や、2023年10月に始まったハマスのイスラエルへの越境攻撃、そしてイスラエル軍によるガザへの侵攻など、周辺国では様々な問題が発生していますが、現時点での影響はありません。
UAEの治安はかなり安全ですが、それでも渡航の際には現地報道やUAE政府発表を注視の上、安全確保には十分注意を払う必要はあります。
ドバイで気をつけるべきエリア
犯罪が横行しているわけではありませんが、労働者階級が多くいるエリアにはなべく近づかないようにしましょう。
安いホテルでの滞在を求めすぎるあまり、治安が良くないエリアはなるべく選ばないようにしましょう。
- デイラ(Diera)
- バール・ドバイ(Bur Dubai)
- インターナショナルシティ(International City)
- ソナプール(Sonapur)
上記のエリアには、インドやパキスタンなどからの出稼ぎ労働者や、中国の詐欺グループやマフィアなどが雲隠れしています。そのため、裕福なエリアと比べると治安は悪いです。
これらのエリアも場所によっては見どころの箇所もあり危険ではありません。しかし、ダウンタウンやマリーナエリアでは滅多に起きない置き引きや、忘れ物が返ってこないなどの可能性は高まります。また、道路にゴミが散乱しているなど途上国のイメージに近いエリアです。
インターナショナルシティでは近年中国人グループが違法薬物を売買していることもあり、ドバイ警察が取り締まっています。我々日本人もドバイの現地の人にとって中国人と見分けがつかないため、誤って事件に巻き込まれる可能性も0%ではありません。
UAEでの犯罪
UAEの治安は良好ですが、詐欺などは現地でも横行しているので気をつける必要があります。特に外国人が多いことから、外国人による外国人をターゲットにした犯罪が多く確認されます。
詐欺師について
1つ覚えておいていただきたいことがあります。詐欺師はすでにあなたの名前・住所・電話番号・パスポート番号などを知っています。
不動産購入時に入力した情報、ホテル宿泊時の情報、レンタカーを借りた際の情報、個人情報が売買されています。5つ星ホテルだとしても個人情報保護に対する意識はかなり低いです。そのため、従業員が情報を盗み第三者に販売することが横行しております。
私も実際に不動産を購入したオーナーリストを売りつけられたことがあります。サンプルを見たところそこには、物件名・部屋番号・オーナー名・電話番号・メーアルドレスなど全てが記載されていました。
日常的に体験する詐欺
UAEでは日常的に詐欺の電話がかかってきます。警察、政府、銀行などを装って電話かかってくる場合もあれば、SMSやWhatsAppなどのメッセージで送られてくる場合もあります。
その際に、「エミレーツIDデパートメントです。ID情報の更新が必要で、今すぐ更新しないとビザが切れる/ペナルティーを支払わなくてはいけなくなる。」など、不安を煽ることを言ってきます。その後、実際に本当の警察や政府からOTP(ワンタイムパスワード)も送られ、「今、あなたの電話番号にOTPを送ったから確認して欲しい」と尋ねてきます。
詐欺師が政府の何らかのフォームに、自分の電話番号を入力後にSMS承認してきます。そのため、自分の電話番号宛にSMSが送信されます。あたかも詐欺師が警察や政府の人だからOTPを送れたように装ってきます。
我々外国人は実際にビザや銀行などのトラブルはよく発生します。しかし、OTPやクレジットカードの番号やセキュリティーコードは絶対に教えてはいけません。
「詐欺師はすでにあなたの名前・住所・電話番号・パスポート番号などを知ってる。」ということを肝に銘じておきましょう。
日本人による日本人への詐欺
不動産詐欺
アブダビでの日本人不動産詐欺は確認されていませんが、ドバイでは多くの不動産詐欺が横行しています。ドバイの日系不動産企業が日本人の顧客を騙す事例が多く確認されております。
不動産詐欺の事例
- 手付金の持ち逃げ
- 不動産ライセンスを持たない日本人に転売される • 多額の手数料を取られる
- デベロッパーに支払いがされてない
- 実際の価格より高額で契約をさせられてしまう
様々な詐欺案件
日本のテレビでも紹介されるように、様々な詐欺師がドバイに逃げ隠れているということも確かです。
UAEでは不動産詐欺以外にも日本人が日本人を騙す多くの詐欺事例があります。事業投資詐欺、仮想通貨詐欺、インフルエンサーによる詐欺など後を立ちません。
それらの人の多くに共通していることは、知り合いからの紹介です。知り合いが紹介してくれたから投資したなどよく聞かれますが、投資する方は自身でもUAEにいる企業や第三者から客観的な情報をもらい正しい判断してください。他社で相見積もりをとると法外な値段を請求されていたことなどがよくあります。
詐欺に遭わないためにすべきこと
- UAEでの事業ライセンスの確認
- 役員の経歴チェック
- 在ドバイ日本国総領事館
https://www.dubai.uae.emb-japan.go.jp/itpr_ja/safety.html - ドバイコンプラサイト
https://dobaisagi.online/
万が一の際の問い合わせ先
在アラブ首長国連邦日本国大使館
- 所在地:P.O.BOX 2430, Abu Dhabi, United Arab Emirates
- 電話
- (市外局番2)4435696
- (国外からは971-2)4435696
- ホームページ:https://www.uae.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
日本領事館
- 外務省領事サービスセンター
- 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
- 電話
- (代表)03-3580-3311(内線)2902,2903
- 領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2306
- 領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
- 海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)