近年、アブダビへの不動産投資が日本人投資家の間で注目を集めています。本記事では、その中でも特に話題の新開発地域であるファヒド島 (Fahid Island)に関する包括的な情報を提供します。ウェルビーイング(心身の健康)を重視した都市設計コンセプト、代表的な不動産物件の概要と価格帯、投資対象としての魅力や利点、さらには考慮すべきリスクについて解説します。最後に、日本人投資家への提言も示し、ファヒド島への不動産投資について検討するための指針をまとめます。
Fahid Islandの概要と立地・アクセスの利点

ファヒド島は、ターコイズブルーの海とマングローブ林に囲まれた島に、高級レジデンスタワー群が配置される大規模プロジェクトで、自然と都市機能が調和した景観となります。
ファヒド島はアブダビ首長国の東海岸に位置する島で、総開発面積は約270万㎡に及ぶ大型プロジェクトです[1][2]。島の周囲には全長11kmにわたる海岸線が広がり、4.6kmもの長さの天然ビーチを有する恵まれた環境にあります[3]。北西にヤス島、南東にジュバイル島(サディヤット島と本土を繋ぐ島)が隣接し、両エリアの中間地点に位置しています[4]。島の周囲には豊かなマングローブの生態系が残されており、美しい景観だけでなく空気の浄化など環境面の利点も享受できます。

アクセスの利便性もファヒド島の大きな魅力です。陸路での移動は高速道路を通じてスムーズに行え、ヤス島へ車で約5分、サディヤット島へ約15分、アブダビ国際空港へ約15分、アブダビ市中心部へ約20分と主要スポットへの距離が近く、プライベートな環境でありながら各拠点への移動時間は短く抑えられています[5]。例えば、テーマパークや大型ショッピングモールが集まるヤス島や、ルーブル・アブダビなど文化施設が充実するサディヤット島へ気軽に行き来できる点は、居住者・投資家双方にとって大きな魅力でしょう。アブダビ中心街へも車で20分以内で到達可能で、日常生活の利便性を享受できます。

今後アブダビではディズニーテーマパークを中心に、様々な施設が開業予定です。
ドバイへも、高速道路経由で約50分と日帰り圏内にあり、アブダビとドバイ双方の恩恵を受けられる立地と言えます[5]。このようにファヒド島はプライバシーとアクセスの両立を実現した戦略的ロケーションにあり、主要観光地・文化エリアや空港までも15分程度でアクセス可能な点は、投資物件の付加価値を高める要因となっています[6]。

また、ファヒド島自体が提供するレジャー環境も充実しています。島内には2kmにおよぶウォーターフロントの遊歩道が整備され、住民の憩いの場やコミュニティのハブとして機能します[7]。海沿いのプロムナードには高級レストランやカフェ、ブティック、ギャラリー等が配置され、アート作品の展示や屋外イベントも計画されています[8]。島内の目玉施設の一つとして「Coral Drive(コーラル・ドライブ)」と呼ばれるブティック商業エリアが設けられる予定で、流行のショップやコンセプトストア、バレエスクール、カフェ、パブリックアートなど多彩な文化・商業体験ができる空間になります[9]。さらに島内には5つ星クラスの高級リゾートホテルの誘致も予定されており、居住者だけでなく観光客にも魅力的な総合開発となる見込みです[10]。
総じて、ファヒド島は「都市の利便性」と「リゾートの静けさ」を兼ね備えた新たな高級居住エリアとして位置付けられています。プライベートアイランドのような静穏さを保ちつつ、大型開発による高度なインフラと周辺環境への近接性を享受できる点で、ロケーション面のポテンシャルは非常に高いといえるでしょう。
開発コンセプト:ウェルビーイング、自然との調和、サステナビリティ

ファヒド島最大の特徴は、その開発コンセプトに「ウェルビーイング(Well-being)」を据えていることです。これは、住民の心身の健康や快適さを最優先に考えたまちづくりを意味します。ファヒド島は都市設計の中心テーマとしてウェルビーイングを掲げ、UAE初の“ウェルネス特化型”アイランドとして開発が進められています[11]。自然環境との調和やヘルシーな生活スタイルを重視した次世代の居住地として国内外から注目を集めており、その革新的な取り組みは他の不動産プロジェクトとの差別化要因となっています。

具体的には、島全体の約30%ものエリアが緑地や公園、歩行者空間として確保される計画で、人々が自然に囲まれて過ごせる空間設計がなされています[7]。例えば島の中央部には全長10kmにおよぶ「バーム・パーク (Berm Park)」と呼ばれる緑地帯が配置され、ランニングトラックやサイクリングコースが整備される予定です[12]。このバーム・パークは単なる公園ではなく、防風・防音の緩衝帯の役割も果たしつつ、島内を貫くウェルネス&フィットネス回廊として機能します[13]。住民は豊かな植栽に囲まれたコースでジョギングやサイクリングを楽しめ、コース途中には水飲み場や日除け休憩所、屋外フィットネス器具が配置されるなど、初心者からアスリートまであらゆるレベルの人々が健康増進に取り組める環境が用意されます[14]。さらに、このフィットネス回廊は島外のアブダビ本土の自転車ループとも接続され、シームレスに移動できる計画です[12]。

海辺の環境も最大限に活かされています。島のビーチではカイトサーフィンやパドルボード、イルミネーション付きナイトスイミング、ビーチバレーなど、多彩なアクティビティを楽しむことができます[15]。これらは住民の心身のリフレッシュやコミュニティ形成を促すようデザインされており、「日常にアクティブなリゾートライフを取り入れる」というコンセプトが体現されています。また、島内各所にリゾート風のプールやスパ、屋外ヨガスペース等のウェルネス施設が点在する計画で、暮らすだけで健康が促進される環境が整います[16][17]。

サステナビリティ(持続可能性)もファヒド島開発の重要な柱です。島全体で世界初のFitwel認証取得を目指しており、マスタープラン段階で既にFitwel及びLEEDコミュニティ部門の最高位認証を取得済みです[18]。Fitwelとは米国発の建築物ウェルネス評価制度で、健康的な環境設計に特に重きが置かれます。ファヒド島はこのFitwel認証を島全体で達成する世界初の試みであり、デザイン面で健康志向が徹底されていることを示しています[18]。加えて、建物単体でもUAEのグリーン建築基準であるEstidamaの3Pearl(真珠)認証や、LEEDゴールド認証取得を目指しており、エネルギー効率や環境負荷低減にも配慮した最先端の設計がなされています[19]。

建築デザイン面では、世界的に著名な建築家チームが参加している点も見逃せません。日本の隈研吾氏や高田浩一氏をはじめ、ロンドンのACME社、UAEのNAGA社といった国際的建築家・デザインファームが複数参画し、それぞれ独自のコンセプトで住宅デザインを手掛けています[20]。自然との融合をテーマに据え、伝統と革新を兼ね備えた意匠が特徴で、建物の形状やファサードには島の海や風、砂丘からインスピレーションを得た有機的なデザイン要素が取り入れられています。例えば一部のレジデンスでは波打つようにカーブしたバルコニー形状が採用されており、外観からも「ウェルビーイング・アイランド」らしい柔らかな景観美を演出します[21]。こうした世界トップクラスの建築デザインと島全体の調和により、ファヒド島はサステナブルかつ美しい都市環境を実現する計画です。
さらに、生活インフラ面でもウェルビーイングを支える工夫があります。島内には英国名門校キングス・カレッジ・スクール(King’s College School)が中東初進出し、2028年9月に開校予定です[22]。5万㎡のキャンパスに最大2,200名の生徒を受け入れるこの学校は、世界トップレベルの教育環境を提供し、ファミリー層にとって大きな魅力となるでしょう。高品質な教育施設の存在は地域全体の価値を高める要素であり、ファヒド島を「住んで学べる」理想的なコミュニティへと昇華させています。
このようにファヒド島は、「ウェルビーイング」「自然との調和」「サステナビリティ」という3つのキーワードを軸に据えたコンセプトで開発されています。島全体が一つのコミュニティ兼リゾートのように設計されており、そこで暮らす人々に日々の安らぎと活力をもたらすことを目指しています[7]。世界的にも珍しい試みであることから不動産市場でも注目度が高く、「次世代のラグジュアリー・アイランド」として国内外の投資家から期待を集めています。
ファヒド島の代表的な物件情報(Beach Residences、Beach House、Terraces)

ファヒド島には段階的に複数の高級住宅プロジェクトが開発される予定ですが、2025年8月現在以下の3プロジェクトが発表されています。
- Fahid Beach Residences(ファヒド・ビーチ・レジデンス)
- The Beach House Fahid(ビーチハウス・ファヒド)
- Fahid Beach Terraces(ファヒド・ビーチ・テラス)
これらはいずれもアブダビの大手デベロッパーアルダー社 (Aldar Properties)によって手掛けられる超高級物件群で、それぞれコンセプトや住戸プランに特徴があります。以下で各プロジェクトの概要を詳しく見てみましょう。
Fahid Beach Residences(ファヒド・ビーチ・レジデンス)

Fahid Beach Residencesはファヒド島で最初に発売されたフラッグシップ的な高級レジデンスです。島のビーチフロント沿いに位置し、7棟の中層レジデンスビルから構成されます(総戸数は約455戸)[23]。各棟は地上6~8階程度の高さで、全住戸が海に面するようレイアウトされており、遮るもののないオーシャンビューとたっぷりの自然光が日常的に楽しめます[24]。間取りは1ベッドルームから4ベッドルームのアパートメントに加え、一部タウンハウス(メゾネット住戸)や各棟最上階には5ベッドルームの超高級ペントハウスも用意されています[25]。幅広い住戸タイプにより、単身のエグゼクティブからファミリー層、さらに富裕層まで多様なニーズに対応するラインナップとなっています。
室内の仕様も非常に高水準です。イタリア製の高級キッチンや最新式のスマート収納システムが導入され、内装はライトトーンとダークトーンの2種類のカラースキームから選択可能で、自分好みのテイストでモダンな空間を仕上げることができます[26]。床材やキャビネットには上質な素材が用いられ、ミニマルで洗練された美しさと機能性を両立させたデザインです。また、バスルームやクローゼットなど細部に至るまで妥協のない造り込みで、例えば一部住戸にはビルトインの大型ワードローブ(トラウザーラック付き)やセーフティボックスまで完備されています[27]。居住者のライフスタイルを格上げする痒い所に手が届く工夫が散りばめられている点は、さすがハイエンド物件と言えます。

共用アメニティも充実しています。インフィニティプールやジャグジー付きプール、子ども用スプラッシュパッドなど複数のプール施設があり、リゾートさながらの水辺の楽しみを日常で味わえます[28]。さらに、最新設備のフィットネスジムや屋外フィットネスエリア、コワーキングラウンジ、キッズルーム、シネマルームなど、「自宅でなんでも完結できる」レベルの共用施設が揃っています[28][29]。ペット愛好家向けにペットスパがある点や、社交の場として使えるソーシャルキッチン(共有キッチンスペース)など、きめ細かな設備も特徴的です[30]。24時間体制のコンシェルジュサービスも提供予定で、ホテルライクな暮らしを実現できます。

販売開始価格は1ベッドルーム(約92㎡)が約1億3,700万円(AED 350万)ほどからで、ファヒド島の中では中〜上位クラスの価格設定です[31]。完成引き渡しは2029年第2四半期(Q2)を予定しており、現在すでに発売済みのユニットは国内外の投資家から「圧倒的な需要」により早期に完売したと報じられています[32][33]。特に発売初週の売上はファヒド・ビーチ・ハウスとの合計で35億ディルハム(約953億円)を超え、購入者の67%はUAE国外を含むエクスパット(居住外国人)や海外投資家が占めたとのことです[34]。こうした高い人気からも、このプロジェクトへの市場の期待値が伺えます。
The Beach House Fahid(ビーチハウス・ファヒド)

The Beach House Fahid(以下ビーチハウス)は、ファヒド島で第二弾として発売された高級レジデンスです。上記ビーチ・レジデンスの成功を受け、発売スケジュールが当初計画より前倒しされたプロジェクトであり[33]、ファヒド島内の中心部に位置します[35]。全11棟のレジデンスタワーで構成され、それぞれがビーチや隣接するガーデンに向けて配置されるよう計画されています[36]。その名の通り「ビーチハウス」というコンセプトが示すように、海辺の開放的なくつろぎと都市的な洗練を融合させた暮らしを提案する物件です[37]。
ビーチハウス最大の特徴は、スタジオタイプ(ワンルーム)から3ベッドルーム+メイドルーム付き住戸まで、幅広いサイズのユニットを揃えている点です[38]。これはファヒド島プロジェクトの中でもエントリークラスの小規模ユニットを含む構成で、平均45㎡程度のスタジオもラインナップされています[39]。そのため、価格帯もスタジオが約7,200万円(AED 180万)〜と他のプロジェクトに比べると低めに設定されており[40]、若いプロフェッショナル層や投資入門者にとっても手が届きやすい入り口を提供しています。一方で最上位の3ベッドルーム+メイドルーム住戸では専有面積が200㎡近くに達するプランもあり、ファミリーでもゆとりを持って暮らせる空間が確保されています。
建築デザインや設備仕様は、上述のビーチ・レジデンスと同様に高品質です。内装にはナチュラルな木目調を活かした落ち着いた雰囲気と、洗練されたニュートラルカラーの組み合わせが採用されており、温かみと高級感を両立させています[27]。ライト系とダーク系の2種類の内装パレットが用意され、購入者は自分の好みに合った仕上げを選ぶことができます。収納や水回りも機能性を追求した設計で、例えば引き出し式のトラウザーラックなどユニークなアイデアも取り入れられ、居住者の日々の利便性を高めています[41]。
共用施設面でもビーチハウスは遜色ありません。リゾートスタイルのプールが2ヶ所、最新鋭ジムが2ヶ所、コワーキングラウンジ、マルチパーパスルーム、子ども用プレイエリア等、ウェルビーイングを実現するための多彩なアメニティが用意されています[42]。これらは先述のビーチ・レジデンスと似通っていますが、ビーチハウスの利点は島の中心に位置するため各施設へのアクセスが容易な点です。実際、ビーチハウスからはコーラル・ドライブの商業エリアや島内のフィットネス回廊へのアクセスが直結しており、島全体のウェルネス機能の恩恵をフルに享受できます[43]。各棟の1階部分にはショップやカフェが入る計画もあり、生活利便施設も充実する見込みです。

販売開始価格は上述の通りスタジオで約7,200万円程度からと比較的手頃ですが、1ベッドルーム(約90㎡)は約1億1,600万円(AED 290万)~、2ベッドルーム(約110㎡)で約1億6,400万円(AED 410万)~と、ユニットの広さに応じて価格は上昇します[44][45]。最高価格帯の大型住戸では2億円を超えるものもあります。完成時期はビーチ・レジデンスと同じく2029年第2四半期が予定されています[46]。投資家にとっては、ビーチハウスは比較的低予算から参入できる反面、島内中心部という好立地と充実の設備により将来的な賃貸需要や売却益も十分見込めるバランスの取れた物件と言えるでしょう。
Fahid Beach Terraces(ファヒド・ビーチ・テラス)

ファヒドビーチテラスの完成予想図。複数の中層レジデンス棟が海岸線に沿って並び、全住戸が目の前に広がるビーチを望めるよう計画されています。波打つ曲線的なバルコニーが特徴で、洗練されたデザインと海との一体感を感じさせる外観です。Fahid Beach Terraces(以下ビーチ・テラス)は、2025年8月に発売開始されたファヒド島で第三のレジデンシャルプロジェクトです[47]。6棟の中高層住宅で構成され、総戸数は全501戸にのぼります[48]。各棟には1〜4ベッドルームの高級アパートメントに加え、メゾネットタイプのデュプレックス(タウンハウス)住戸、そして6戸の5ベッドルーム超高級ペントハウスが用意されています[48]。このプロジェクトはファヒド島の海岸線沿い「フロントライン」に位置する超高級邸宅群であり、立地・規模ともに島内でも最も贅沢な開発と言えるでしょう。
ビーチ・テラスの建築デザインは、オーストラリア・シドニーを拠点に活躍する日本人建築家高田浩一氏(Koichi Takada)が手掛けています[49]。緩やかな曲線を描くバルコニーや有機的な建物フォルムは高田氏のシグネチャーであり、外観はまるで海の波や砂丘の形状を映し取ったかのような優美さです[21]。全住戸が正面に海を望むよう設計されており、室内には自然光と潮風がふんだんに取り込まれる工夫がなされています[21]。内部仕様も他のプロジェクト同様に最高級で、イタリア製のキッチンやスマート収納、2種類の内装カラーパレット等が採用され、モダンでありながら機能美にも優れた空間を実現しています[50]。広々としたバルコニーからは直接ビーチへアクセス可能なユニットもあり、「自宅がそのままプライベートビーチリゾート」という贅沢な暮らしが可能です。
共用施設・サービス面では、ビーチ・テラスはファヒド島プロジェクト中でも随一の充実度を誇ります。例えば海を一望できる絶景フィットネスジムやトレーニングスタジオ、最新機器によるフィットネスアセスメントエリアといったウェルネス複合施設が設置され、居住者の健康管理を高度にサポートします[16]。また、塩療法ルーム付きスパやコールドプランジプール(冷水浴プール)、プライベートトリートメントルームなど、まるで高級リトリート施設のような設備も備えています[51]。娯楽面でも、シネマルームやティーンエイジャー専用ラウンジ、プライベートダイニングルーム、屋外ビーチバレーコート、パデルテニスコート等、多岐にわたる施設が用意されています[52]。コンシェルジュサービスやバレットパーキングなどホスピタリティ面のサービスも当然ながら提供予定であり、「自宅に居ながら五つ星ホテルに滞在しているような生活」が実現するでしょう。

ビーチ・テラスの販売開始価格は1ベッドルーム(約90㎡)が約1億4,400万円(AED 360万)~と、ファヒド島の中では最も高い設定です[53][54]。例えば3ベッドルーム(約245㎡)では約3億6,400万円(AED 910万)~と超高額ですが、その分各住戸の広さ・眺望・プライバシーはいずれも最高レベルとなっています[55]。販売方法も他と異なり、初回販売分は2025年8月末に抽選方式で申込受付が行われました[56](限定されたユニット数に対し応募者が殺到することが予想されたため)。完成引き渡しは2029年中が予定されています[57]。
投資家・購入検討者にとって特筆すべきは、このビーチ・テラスが持つ資産価値の高さと将来性です。ファヒド島という将来有望なリゾート開発地に立地する強みから、ビーチ・テラスは単なる居住空間に留まらず「投資資産」としても大きな魅力を備えていると評価されています[58]。実際、24時間コンシェルジュや直接ビーチアクセスといった付加価値の高い特徴により、将来的な賃貸需要の高さや資産価値の維持・向上が期待できるとされています[58]。ビーチ・テラスはまさに「海と共に暮らしながら資産を育てる」理想の邸宅と言えるでしょう[58]。
以上3つのプロジェクトはいずれも特色ある超高級物件ですが、まとめると以下のような比較になります。
プロジェクト名 | タイプ・規模 | ユニット規模(専有面積) | 販売開始価格 | 完成予定時期 |
Fahid Beach Residences (ファヒド・ビーチ・レジデンス) | 中層アパートメント(7棟・計455戸)[23] +タウンハウス +PH | 1BR:約92㎡~3BR:約233㎡ (5BRペントハウス有) | AED 3.5M~(約1.4億円~)[31][59] | 2029年Q2引き渡し[59] |
The Beach House Fahid (ビーチハウス・ファヒド) | 中層アパートメント(11棟・総戸数非公表) | スタジオ:約45㎡~ 3BR+メイド:約???㎡ | AED 1.8M~(約0.72億円~)[60] | 2029年Q2引き渡し[46] |
Fahid Beach Terraces (ファヒド・ビーチ・テラス) | 中層アパートメント(6棟・計501戸)[48] +デュプレックス+PH | 1BR:約90㎡~3BR:約245㎡ (5BRペントハウス6戸) | AED 3.6M~(約1.44億円~)[53][54] | 2029年内引き渡し予定[57] |
※価格換算レート:1AED≒40円で概算。PH=ペントハウス。
上記の比較からも分かるように、ビーチ・ハウスは小規模ユニットを含むことでエントリープライスを抑え、ビーチ・レジデンスとビーチ・テラスは大型高級ユニット中心でゆとりある居住空間を提供している点が特徴です。それぞれのプロジェクトがターゲットとする層やコンセプトは微妙に異なりますが、いずれもアブダビ最高級クラスの設備・仕様を備え、将来的な賃貸ニーズおよび資産価値の向上が見込める優良物件と言えるでしょう。
プロジェクト発表会の様子
2025年8月21日アブダビのファヒド島のアルダーセールスセンターにて、ビーチテラスの発表がございました。
一般的公開は27日からで、弊社を通じて購入される方は26日から購入が可能となります。



投資先としての魅力(高級住宅市場動向・賃貸需要・将来価値)

ファヒド島の物件が日本人を含む海外投資家から注目される背景には、アブダビの高級不動産市場全体の好調さがあります。以下に、その魅力をいくつかのポイントに整理します。
アブダビ高級住宅市場の堅調な成長
近年アブダビでは不動産価格が力強く上昇しています。2024年の不動産市場統計では、高級物件の販売価格が前年比約11%上昇し、賃料も年間平均で20%上昇するなど、投資家の高い関心を反映した顕著な伸びを示しました[61]。特にサディヤット島など人気エリアでは一年間で30%以上もの価格上昇が記録されており[62]、アブダビ高級住宅への旺盛な需要がうかがえます。こうした市場トレンドは、同じ沿岸高級エリアであるファヒド島の物件価値にもポジティブな影響を与えると期待されます。
高い賃貸需要と利回り
アブダビは人口増加や経済成長に伴い賃貸住宅需要も強く、投資物件としての利回りの高さが魅力です。高級住宅エリアの一つヤス島では、高級アパートの平均賃貸利回りが約7.07%に達するとの報告もあり[63][64]、実質利回り(ネット利回り)でも5~6%台が期待できる物件が多いとされます。首都という安定したテナント需要のあるマーケットに加え、ファヒド島のような目玉新規プロジェクトは富裕層や海外駐在員からの賃貸ニーズも高く、購入後に高稼働率・高収益の賃貸運用を図りやすい点は投資メリットです。
需要超過による資産価値の上昇余地
アブダビの高級物件市場は現在、需要が供給を上回っており、物件価格の上昇基調を支えています[65]。政府系デベロッパーによる大型供給(2025年には8,500戸の新規供給予定[65])がある一方で、それ以上に国内外からの投資需要が強く、完成前に在庫が完売するケースも多発しています。ファヒド島についても、第一期の販売が瞬く間に完売したことが示す通り需給バランスは売り手市場に傾いている状況です[32]。将来的に開発が進んで供給が増えたとしても、高いコンセプト性とロケーション希少性を持つファヒド島物件は他に代替が効きにくく、中長期での資産価値維持・上昇が見込まれます[58]。
政府の後押しと投資優遇策
UAE政府・アブダビ政府は不動産セクターへの海外投資誘致に積極的で、投資家に有利な施策を展開しています。その代表例がゴールデンビザ制度で、不動産購入額が一定額(アブダビでは200万ディルハム≒約8000万円超)に達すると長期居住ビザ(最大10年間)が取得可能です[66]。ファヒド島の物件はいずれもこの閾値を超える価格帯のため、購入によりアブダビでの長期滞在権を得られる大きなメリットがあります。また、近年はロシア・中国・欧州などからの資本流入も増えており[66]、透明性の高い法制度や税制優遇(個人所得税・キャピタルゲイン税なし)と相まってアブダビはグローバルな安全資産投資先として評価が高まっています[67]。さらに2025年にはヤス島に「ディズニーランド・アブダビ」の開業計画が発表されるなど[68]、観光・経済の活性化につながる大型プロジェクトも控えており、地域全体の将来価値を押し上げる期待が高まっています。
信頼性の高いデベロッパーによるプロジェクト
開発を手掛けるアルダー社 (Aldar)はアブダビを代表する不動産開発会社であり、これまでにも数多くの大規模プロジェクトを成功させてきた実績があります。政府とも密接に連携した半官半民的な立ち位置でもあり、資金力・信用力の点で安心感があります。実際、アルダー社はファヒド島の土地取得に約25億ディルハムを投じており、総事業価値も400億ディルハム超(約1.2兆円)と莫大な規模に上ります[69]。これだけのリソースを投入すること自体、同社が本島プロジェクトに懸ける意気込みを物語っています。デベロッパーの信頼性はオフプラン物件購入における重要な要素であり、アルダー社であれば工期遅延や引き渡し不履行のリスクが相対的に低い点も投資判断を後押しする材料となるでしょう。
以上のような点から、ファヒド島の不動産は「ラグジュアリーなライフスタイル需要に支えられつつ、高収益と将来の値上がり益も期待できる」極めて魅力的な投資対象と言えます。特に日本国内の投資環境(低金利や人口減による不動産需給の伸び悩み等)と比べると、高成長を続けるアブダビ市場への分散投資メリットは大きく、ファヒド島はそのエントリーポイントとして有望でしょう。
リスクや留意点
もっとも、海外不動産投資には魅力だけでなくリスクや留意すべき点も存在します。ファヒド島への投資を検討する際には、以下のような事項に注意が必要です。
不動産市場は景気動向や需給バランスの影響を受けます。現在アブダビ高級市場は需要超過で堅調ですが、大規模供給が続けば将来的に供給過剰へ転じるリスクもゼロではありません[70]。また世界経済の動向次第では一時的な価格調整局面が訪れる可能性もあります。長期的な視点で市場トレンドを注視し、売却の出口戦略も念頭に置いた計画が必要です。
ファヒド島の物件引き渡しは2029年前後とまだ先の予定です。オフプラン(完成前物件)購入では、完成まで数年のタイムラグがある間に市場環境が変化するリスクや、建設遅延の可能性を考慮しなくてはなりません。資金を長期間拘束することになるため、資金計画に余裕を持ち、長期戦に耐えうる投資スタンスが求められます。また、完成後すぐに転売(フリップ)で利益確定を狙う戦略は市場状況次第で想定通りにいかない場合もあるため注意が必要です。
アブダビの通貨ディルハム(AED)は米ドルに連動(ペッグ)しており、日本円との為替変動リスクがあります。購入時より円高が進行すれば円建て投資額が増えることになり、逆に円安が進めば円換算評価額は増えます。為替レートは予測が難しい要素であり、為替ヘッジ手段の検討やポートフォリオ全体でのリスク分散が重要です。
UAEでは不動産取得にあたりフリーゾーン物件であれば外国人でも所有権が認められますが、物件登録時の費用(登記料約2%)や取得後の固定費(管理費など)について理解しておく必要があります。また、日本とは法律や契約実務が異なるため、売買契約書やデベロッパーから提示される購入条件を慎重に確認することが大切です。現地の信頼できる不動産会社や法律専門家のサポートを受け、コンプライアンス(規制順守)面も含めた安全な取引を心掛けましょう。
購入後に賃貸運用を考える場合、遠隔地であることから物件管理会社の活用が不可欠です。信頼できるプロパティマネジメントを選定し、空室時の対応やテナント対応、維持管理を任せる体制を構築する必要があります。また、将来的に売却する際も現地マーケットの適切な仲介業者を選ぶことが重要です。
弊社バイテックスは日系で唯一アブダビで不動産ライセンスを取得している企業です。ライセンスを持っていることで、新規物件のご紹介をはじめ、賃貸・売買を行うことができます。

以上の点を踏まえ、リスクを適切にコントロールしながら投資判断を下すことが重要です。十分な事前調査と専門家への相談を行い、不明点や不安要素をクリアにしておきましょう。
まとめ(日本人投資家への提言)
ファヒド島(Fahid Island)は、アブダビ政府肝いりの壮大なウェルネス都市開発プロジェクトであり、その中で提供される不動産物件はラグジュアリー性・収益性・将来性の三拍子が揃った魅力的な投資対象です。ウェルビーイングを重視した最先端のコンセプトは世界的にも稀少であり、健康志向・高品質志向の富裕層から強い支持を得ることが予想されます。また、アブダビの不動産市場自体が安定した経済基盤と政府の投資優遇策に支えられて今なお成長を続けており、その波に乗る意味でもファヒド島への投資は大きなチャンスと言えるでしょう。
日本人投資家にとっては、国内市場にはないダイナミックな成長ポテンシャルと高利回りが得られる点で、アブダビ不動産への分散投資は非常に有意義です。ただし前述の通り異国での投資にはリスクも伴うため、現地事情に通じた専門家の助言を得ながら慎重に進めることをお勧めします。ファヒド島の物件は発売開始直後から世界中の投資家が注目しており[34]、まさに今が好機です。興味を持たれた方は、まず最新情報の収集や現地視察ツアーへの参加、そして信頼できる仲介業者への問い合わせなど具体的な行動を起こしてみてください。適切な準備と判断をもって臨めば、ファヒド島への不動産投資は皆様のポートフォリオに輝かしいリターンと新たなライフスタイルの可能性をもたらしてくれることでしょう。ぜひ前向きに検討してみてください。[71]
引用元
[1][9][32][33][34][68][69] 「Aldar generates more than Dh3.5bn in home sales at Fahid Island launch」『The National』(2025年6月20日付、https://www.thenationalnews.com/business/property/2025/06/20/aldar-property-abu-dhabi-fahid-island)
[2][4][20][22][23] 「Fahid Island in Abu Dhabi: Everything you need to know about the Dh40 billion luxury waterfront project」『Gulf News』(2025年6月21日付、https://gulfnews.com/business/property/fahid-island-in-abu-dhabi-everything-you-need-to-know-about-the-dh40-billion-luxury-waterfront-project-1.500171255)
[3][6][8][10][12][13][14][15] 「ALDAR UNVEILS FAHID ISLAND: ABU DHABI’S FIRST COASTAL WELLNESS DESTINATION, WITH OVER AED 40 BILLION IN DEVELOPMENT VALUE」『アルダー社プレスリリース』(2025年6月2日付、https://cdn.aldar.com/-/media/project/aldar-tenant/aldar2/images/press-releases/02-june-2025-pr/250602-aldar-fahid-island-en-final.pdf?rev=84b77037f4634d29ae35941b8972d6e7)
[5][7][11][27][36][37][38][39][40][41][42][44][45][46][60] 「ファヒドビーチハウス」『バイテックス(BITEX)公式サイト』(https://bitex-co.com/fahidbeachhouse/)
[16][17][21][49][50][51][52][53][54][55][56][57][58][71] 「ファヒドビーチテラス」『バイテックス(BITEX)公式サイト』(https://bitex-co.com/fahidbeachterrace/)
[18][19][47][48] 「Aldar launches third residential project on Fahid Island」『TradeArabia』(2025年8月12日付、https://www.tradearabia.com/News/435670/Aldar-launches-third-residential-project-on-Fahid-Island)
[24][25][26][28][29][30][31][59] 「ファヒドビーチレジデンス」『バイテックス(BITEX)公式サイト』(https://bitex-co.com/fahidbeachresidences/)
[35][43] 「ファヒドビーチハウス(パンフレット)」『アルダー社』
[61][65][66][67] 「Abu Dhabi Luxury Real Estate 2024-2025」『Centrariumブログ』(2025年6月16日付、https://centrarium.com/en/blog/elitnaja-nedvizhimost-abu-dabi-v-2024-2025-godah-325.html)
[62][63][64] 「Abu Dhabi real estate: Areas with the highest return on investment in 2024」『Economy Middle East』(https://economymiddleeast.com/news/abu-dhabi-real-estate-areas-highest-return-on-investment-2024/)
[70] 「5 Challenges Facing UAE’s Real Estate Investors in 2025」『HomeCubes』(https://homecubes.io/investor-challenges-2025-uae/)